第444章 木村文俊の生放送現場での恥さらし(その1)

翌日。

冬木心VS木村文俊のデザインコンテストの日。

午前8時。

会場には東京のすべてのメディア記者が集まり、さらに国際メディアも現場に到着していた。記者以外にも、会場には100人の観客が設けられ、そのうち一般観客が50人、残りの50人はファッション雑誌の編集長、著名なデザイナー、ファッションインフルエンサーなどで、会場は人で溢れ、非常に賑わっていた。

大会は全過程がライブ配信され、北村系のプラットフォームでのみ全国配信されるが、北村系の視聴者層は日本国の4分の3を占め、視聴者数は膨大だった。

午前9時。

アリス審査団が着席。

会場から熱烈な拍手が沸き起こった。

業界関係者は皆知っていた。アリス審査団を動かすことは容易なことではない。アリス審査団は日本国にたった一度しか来たことがなく、それも世界中の大物が集まる世界規模のデザインコンテストだった。今回、あまり知名度の高くない二人のデザイナーのために日本国に来たことは、アリス審査団では前例のないことで、大きな話題を呼んでいた。

実は誰も北村忠がどうやってアリス審査団を招聘できたのか分からなかった。審査団の創設者であるダニエル・ダーレンまでもが会場に来ていて、前代未聞の陣容だった。

実際、北村忠一人では招聘できなかった。過程は非常に複雑で、まず北村忠は冬木空を訪ねた。冬木空は東京に戻って何日も経っていたが、これだけの出来事があったにもかかわらず、一言も触れず、何も聞かなかった。北村忠がアリス審査団を東京に招聘する手助けを求めると、冬木空はすぐに承諾し、何も言わなかった。これは老狐の性格とは全く合わないことで、彼がこれほど控えめなことに北村忠は妙に苛立ち、何か企んでいるような気がしてならなかった。

そう、彼を計算に入れているのだ。

冬木空がなぜアリス審査団の人々と親しいかというと、アリス審査団の創設者ダニエル・ダーレンと陸田和樹の母親である陸田真奈美が昔の恋人同士だったからだ。冬木空と陸田和樹は仲が良かったので、そういうつながりができたのだ。

時々、北村忠は本当に冬木空を尊敬していた。世界中で、冬木空が知らない要人はいないのではないかと思うほどだった。なぜこいつはまるで生まれた時から自分の前を行っているのか、かなり前を!

当たり前だ。