広大な宴会場。
鈴木知得留の美しさは、会場全体を魅了した。
鈴木友道が遠くから歩いてきて、「姉さん、来たんだね」と声をかけた。
鈴木知得留が振り返った。
その瞬間、君島博の視線から目を離し、鈴木友道に微笑みかけて、「うん」と答えた。
「僕も今来たところだよ。君島秋と一緒に来たんだ」
鈴木知得留は軽く頷いた。
鈴木友道はこの時、姉の服装を見つめて、「姉さん、ちょっと露出が多すぎじゃない?」
鈴木知得留は笑って、「わざとよ」
「誰を誘惑しようとしてるの?」
「さあ、どうかしら」
「姉さん...」
「あっちに行ってくるわ」鈴木知得留は鈴木友道の言葉を遮り、ハイヒールを鳴らして立ち去った。
鈴木友道は姉の後ろ姿を見つめた。
姉の変化があまりにも大きいと感じた。
本当にこの世界を理解し、自分以外誰も頼れないと悟ったのか?だからこんなに積極的になったのか!