広橋香織は胸の前で息を飲んだ。
くそったれの北村忠、冬木心を愛するのにここまで法も道理も無視するのか?!
彼女は内なる洪荒の力を抑えきれず、北村忠に向かって怒鳴った。「北村忠、この外道め!お前と冬木心が虎を奪おうと企んでいたなんて、お前は冬木心を愛するあまり良心まで失ったのか?!」
北村忠が説明しようとした時。
冬木心は急いで言った。「おばさま、北村忠を責めないでください。彼も皆のためを思ってのことです。道明寺華には今、彼女の道があります。虎と一緒にいることは彼女のキャリアの妨げになっています。おばさまも今日の国際大会での道明寺華の試合をご覧になったでしょう。彼女は明らかに国際舞台で輝くことができるのに、虎のために自分の未来を諦めるべきではありません!彼女はまだこんなに若いのです!本当にそんな犠牲を払う価値はありません!」