「こんな趣味があるなんて、どうして私に教えてくれなかったの?」リナは眉を上げた。
斎藤咲子は数秒間呆然としていた。
彼女は少し笑って、「実はあまり上手くないんです。当時彼を囲ったのも他の理由があって、彼がイケメンだとか使い勝手がいいとは思っていなかったんです。今はもう飽きてしまいました。」
「テクニックが良くないのはあなたの導き方が足りないからよ。数日間私に任せてみて、違う男に変えてあげるわ。」
斎藤咲子は微笑んだが、答えなかった。
「どうしたの、まだ惜しいの?」リナは目の前のグラスを取り、一口飲んだ。
「そういうわけではありません。ただ、他人のために決断するのはあまり好きではないので。」
「つまり、彼に聞いてみるということね。」リナは率直に言った。
「聞いた方がいいと思います。」
「じゃあ今夜帰ったら私のために聞いてみて。」リナは笑いながら、「あの日彼があまりにも痩せていなかったら、その夜は私のものになっていたかもしれないわ。」
斎藤咲子は微笑みを浮かべたまま、「わかりました。」
リナもそれ以上は何も言わなかった。
二人は夕食を済ませた後、リナは早く帰りたくなかったので、二人はバーに行った。
大きなプロジェクトがリナのところで止まっていたため、この数ヶ月間、リナが日本に戻ってきてから、彼女は基本的に時々リナを食事に誘っていた。それは国際契約を締結するためであり、リナも彼女と契約することに反対ではなかったが、いくつかのプロジェクトの詳細についてはまだ協議中で、本社側もまだ審査中だった。実際、リナは彼女と協力することに非常に積極的で、時々戻って斎藤咲子と本社との交渉を手伝っていた。今ではそちらはほぼ決まり、契約書を少し修正すれば署名できるという話だった。
まさに今が重要な時期だった。
問題がなければ、契約は成立する。
斎藤咲子はリナとバーで歌い、お酒を飲み、何人かのホストを呼んで付き合わせた。
リナはしばらく遊んだ後、面白くなくなったと感じ、「咲子、いつも同じ人たちばかりで、飽きない?」と言った。
「フロアマネージャーに新しい人を探してもらいます。」
「遊べるものは全部遊んだわ、もう面白いものなんてないわ。」リナは少し退屈そうだった。
「場所を変えてみる?」
「場所を変えても面白くないわ。」リナは断った。