手紙

シスター・ベラ・ローズが深く息を吸い込んで、後ろの席からそっと立ち上がった時、私は驚きを隠せなかった。

しばらくの間、彼女はこめかみに深いしわを寄せながら、内なる葛藤と静かに戦っているようだった。

もう少しそのままでいるのかと思った時、彼女は口を開いた。

「まだあなたにお話ししていないことがあります」彼女はかすかな囁きで言った。その声に、私はティーカップを口元まで持ち上げようとした手を止めた。

キャサリン・グレイスと私は顔を見合わせた。言葉を交わさなくても、彼女も同じことを考えているのが分かった。おそらくシスター・ベラが次に話すことは、アンジェラの事件を解決する手がかりになるかもしれない。

私は修道女に視線を戻し、彼女の言葉を待った。

「アンジェラが去る前に、封をした封筒を私に渡したのです...」彼女は繊細な指を胸の前で組み合わせながら話し始め、その件について不安そうに行ったり来たりし始めた。歩くのを止めて私たちの方を向くと、彼女は続けた。「でも彼女は、手紙を渡すべき相手以外には誰にも話してはいけないと警告したのです!でも...でも...どこから始めればいいのか分かりません。その人をどこで見つければいいのか分かりません。手紙の中身は分かりませんが、きっと重要なことが書かれているはずです。」

長い沈黙が続いた。部屋の中で誰も言葉を発しなかった。

「お二人にこのことをお話ししているのは、信頼できると感じたからです。アンジェラの殺人事件を解決するお手伝いをしたいのです。本当の殺人者が捕まるように。」言い終えると、シスター・ベラはゆっくりと部屋の左側にある木製の本棚へと向かった。

本棚にはほとんど本が並んでおらず、どれも分厚い装丁の古めかしい本ばかりだった。ほとんどが教科書だった。棚を見渡しても、子供向けの本は1冊も見当たらなかった。

ベラは本棚の上から1冊の本を取り出した。重そうな本を手のひらに乗せ、ページをめくり始めた。

表紙が傾いた時、彼女が持っているのは聖書だと分かった。分厚くて古めかしい本だったが、ページは堅い表紙で保護されていた。

探していたものを見つけると、彼女の表情が明るくなった。安堵のため息をつくと、急いでテーブルに戻って席に着いた。