執着 5

安堵で目を見開いたまま、私は友人を見つめ続け、頬を伝う涙が止まらなかった。彼女の胸に視線を向けると、弾丸の痕はまだそこにあったが、最初に思ったような致命傷ではなかった。

彼女の唯一の気がかりな怪我は、まだ出血している右肩の銃創だった。彼女がだぶだぶのシャツの下に着ていた防弾ベストが、命に関わる怪我から彼女を守ってくれたのだ。

彼女が私を見つめる中、熱い涙が更に溢れ出た。「大丈夫よ、フェニックス」キャサリン・グレイスは安心させるように囁きながら、ゆっくりと私の方へ歩み寄ってきた。

何度も瞬きをして涙を止めようとしたが、涙は止まらなかった。彼女の声を再び聞けたことで、気持ちが楽になり、軽くなった。胸から重荷が取れた気がした。

彼女は無事だった…信じられないほどだった。