第425章 顔が台無しになった

園田円香は鋭く何かに気づき、口を開いて尋ねた。「私の顔……どうかしたの？」

栗原はやはり若く、感情をうまく制御できず、思わず頭を振った。「いいえ、何もありませんよ、お嬢様。お顔は大丈夫です、何もありません！」

それは何かあるということだ。

園田円香は直接言った。「鏡を持ってきて。」

栗原は顔をしかめ、助けを求めるように木下夫人を見た。

木下夫人はため息をつき、それでも言った。「持っていってあげなさい。」

紙は火を包めないように、これも隠し通せるものではない。

栗原は仕方なく化粧台のところへ行き、小さな鏡を取り、躊躇いながら戻ってきて、園田円香に渡した。

園田円香は鏡を持ち上げ、自分の顔に向けた。

ある程度予想はしていたものの、右頬に指一本分ほどの長さの傷跡を見たとき、彼女の心臓は縮み上がった。

自分の顔を気にしない女の子はいない、特に彼女のように元々かなり可愛い場合は……

これで、顔が台無しになってしまった……

園田円香の鏡を握る手が、止めどなく微かに震え始めた。

佐藤先生はその様子を見て、慰めた。「木下さん、この傷は海の中で何かに引っかかれたものだと思います。救助の際に私はできる限り傷口を縫合しましたが、避けられないことに傷跡は残ってしまいます。」

「でも心配しないでください。手術の際に美容科の医師とも相談しました。体が完全に回復したら、美容治療で傷跡を消すことができます。医師側は社交距離では見えなくなると保証しています。」

木下夫人も急いで言った。「そうよ、美央。あなたのために最高の医師を見つけて修復するわ。私たちの美央はとても美しいのだから、元通りになるわ。」

みんながそう言うので、園田円香も彼らをこれ以上心配させたくなく、浅い笑みを浮かべた。「うん、ありがとう佐藤先生、お母さん。」

佐藤先生は彼女にしっかり休むよう言い残し、荷物をまとめて去った。栗原は彼を見送った。

木下夫人は椀を手に取り、スプーン一杯ずつ園田円香に薬を飲ませた。

園田円香は少し慣れず、言った。「お母さん、私自分でできるよ。」

しかし木下夫人は許さず、笑って言った。「美央、ママにやらせてちょうだい。これまでの長い間、ママはあなたに薬を飲ませたことがなかったのよ。」

園田円香はそれを許した。