周防蕾香は蒼井真緒を見つめながら、続けて言った。「この件が噂だけなのかどうかに関わらず、あなたはこの大会に参加しなければならないわ」
もし静園さんが本当に出席したら、蒼井真緒はチャンスを逃してしまうのではないか?
蒼井真緒も事の重大さを理解し、頷いて「はい」と答えた。
そう言って、彼女はさらに尋ねた。「お母さん、静園さんのルーツが河内市にあるって誰から聞いたの?」
周防蕾香は答えた。「お父さんがパーティーで、何人かの大物が話しているのを聞いたそうよ」
それを聞いて、蒼井真緒は目を細めた。
「どんな人たちだったの?」
周防蕾香は言った。「具体的に誰かはわからないけど、お父さんによると、その大物たちは皆、皇城から来たそうよ」
皇城から?
皇城は帝都の別称だ。
この言葉を聞いて、蒼井真緒の目つきが変わった。