「はい」
蒼井紫苑はすぐに目を閉じた。
蒼井陽翔はポケットからネックレスケースを取り出した。
中からネックレスを取り出し、蒼井紫苑の首に掛けた。
銀色のネックレスで、ペンダントは二つのアルファベット。
S.H。
「はい、目を開けていいよ」と蒼井陽翔が言った。
それを聞いて、蒼井紫苑は目を開け、鎖骨のあたりのネックレスに触れ、すぐに姿見の前に走り、首のネックレスを丁寧に眺めた。「わぁ!これはミス蒼井の限定ネックレス!」
ミス蒼井は蒼井紫苑が最も憧れる人物だった。
このネックレスは、ミス蒼井の歴史的記録を記念して、彼女本人とのコラボレーションでデザインされたものだった。
世界限定10本。
蒼井紫苑はずっと前から一本欲しがっていた。
でも手に入れることができなかった。
まさか蒼井陽翔が買えるとは思わなかった。