「私には華和がそんな人には見えないわ!」篠崎澪は言った。
蒼井紫苑がその時近づいてきて、「お兄ちゃん、華和姉のことを誤解してるわ。華和姉は本当にいい子なの。そうじゃなかったら、おばあちゃんもあんなに気に入るはずないでしょう。私、おばあちゃんがここまで誰かを気に入るのを見たことないわ」
一言で、二つの意味が込められていた。
この言葉は表面上は蒼井華和を褒めているようで、実は華和が計算高いことを暗に示していた。
蒼井華和に計算がなければ、蒼井大婆様をここまで気に入らせることはできなかっただろう。
結局のところ、蒼井大婆様は気難しい老婦人なのだから。
最後に、蒼井紫苑は悔しそうに俯いて、「私なんて、どうやってもおばあちゃんに気に入られないの」
その様子は、今にも泣き出しそうだった。