123:実の祖母のように_6

篠崎澪は正直な人だけど、もし騙されたらどうしよう?

そう考えると。

蒼井大婆様はすぐにハンモックから立ち上がり、階下へ向かった。

一体誰が来たのか、確かめてみたかった。

最も重要なのは、篠崎澪が昨夜、その少女は青木真帆よりも美しいと言ったことだ。

青木真帆は蒼井大婆様の女神だったのに。

本当に自分の女神よりも美しい人がいるのだろうか?

それに、もしこの'青木真帆'が蒼井紫苑と一味だったらどうする?

篠崎澪が蒼井華和と話している最中、足音が聞こえて顔を上げると、笑顔で「お母様、降りていらしたんですね」と言った。

その言葉を聞いて、蒼井紫苑の笑顔が一瞬凍りついた。そして振り返った。

さらに具合が悪くなった。

本当に蒼井大婆様だった。

この忌々しい老婆!

なぜ降りてきたの?

蒼井大婆様は龍頭の杖をつきながら、慈愛に満ちた笑顔を浮かべて「お客様がいらしたと聞いたので、見に来たのよ」と言った。

蒼井大婆様を見て、蒼井華和はすぐにソファから立ち上がり、「大婆様、こんにちは。私は蒼井華和です」と言った。

蒼井大婆様は蒼井華和を見て、目に感嘆の色を浮かべた。

この少女は本当に美しすぎる!

その眉目は、まるで最高の芸術家が彫刻したかのようだった。

篠崎澪がそんなに高い評価をしたのも無理はない!

蒼井華和は確かに青木真帆よりも美しかった。

「お嬢さんも蒼井姓なのね」と蒼井大婆様は笑みを浮かべながら言った。「もしかしたら、五百年前は同じ家族だったかもしれないわね」

篠崎澪が続けて「お母様、華和と呼んでください」と言った。

「女偏の華和なの?」と蒼井大婆様は続けて尋ねた。

蒼井華和は軽く頷いて「はい、大婆様」と答えた。

「まあ」と蒼井大婆様は片手で蒼井華和の手を握り、この子は自分の美的センスにぴったりだと感じながら「大婆様なんて呼ばないで、おばあちゃんでいいのよ」と言った。

まるで蒼井華和こそが自分の本当の孫娘であるかのように。

蒼井紫苑は傍らに立ち、余計者になってしまった。

蒼井華和は笑顔で「おばあちゃん」と呼んだ。

この一声の「おばあちゃん」は、まさに蒼井大婆様の心の琴線に触れた。

彼女はこの少女が本当に気に入った。

蒼井華和が自分の本当の孫娘であればいいのにと思うほどだった。