132:なんと!蒼井さんですわ!_2

その言葉を聞いて、春日吉珠はほっと胸をなでおろした。

「紅音はいったいどんな感じなの?」春日吉珠は続けて尋ねた。

朝倉渚は笑いながら答えた。「きっと可愛いわよ!私たち蒼井家の遺伝子はこんなに良いんだから、紅音が劣るわけないでしょう?」

春日吉珠は頷いて、「そうね。私も本当に楽しみだわ」と言った。

義姉妹は互いに言葉を交わし合った。

蒼井紫苑は外に立ったまま、眉をひそめた。

楽しみ?

春日吉珠に何が楽しみなことがあるというの。

私だって蒼井家の人間じゃないの?

待っていなさい。

今は蒼井紅音にどれだけ期待していても、その時が来れば、それだけ失望することになるわ。

私は蒼井華和のことを調べた。

生まれも育ちも田舎の村娘。

何もできない。

蒼井家の人々の長所なんて、彼女には微塵も備わっていない。