やはり、蒼井大婆様は自分のことが好きではなかった。
昼食を済ませた。
蒼井華和は部屋に戻り、パソコンを開いた。
その後、空気の中にはキーボードを叩く音だけが響いていた。
彼女はそのままパソコンの前に座り、背筋をピンと伸ばしていた。
しばらくして。
空気の中にノックの音が響いた。
蒼井華和はパソコンデスクのボタンを押すと、ドアが自動的に開いた。
彼女の部屋はあまりにも広かった。
そんなに遠くまでドアを開けに行くのが面倒だったので、スクリプトを書いて、パソコンデスクの前に自動ドア開閉装置を設置したのだ。
「どうぞ」
蒼井華和の声は淡々としていた。
蒼井詠真の声が外から聞こえてきた。「ちょっと出てこられる?」
蒼井家の家訓は厳しかった。
実の兄妹でも嫌疑を避けなければならず、男女とも十八歳になると、夜は同じ部屋にいることができなかった。