138:真っ向から打撃、華和は高嶺の花_3

蒼井華和はすごすぎる!

何でも知っているんだ。

店主は蒼井華和がこんな玄人だとは知らなかった。

まして、十六、七歳の少女が翡翠について詳しいなんて、思いもよらなかった。

これは......

これは天の助けだろう?

その言葉を聞いて、傍にいた中年の男性は拍手喝采したい気持ちだった。

さっきまでずっと心配していたのだ。

この少女たちが騙されるんじゃないかと。

今となっては、その心配は全く無用だったようだ。この少女は若いけれど、その話し方や見識は並の人には及ばないものだった。

本当にすごい。

蒼井華和に見破られたものの、店主は相変わらず落ち着き払って、笑いながら言った:「お嬢さん、見間違えですよ。これは本物の天然翡翠です。」

そう言って、店主は結城詩瑶の方を見た。「美人さん、包んでおきましょうか。」

どうせお金持ちなら、8万8千円なんて気にしないだろう。

彼らの目には、8万8千円が88円にも及ばないかもしれない。

結城詩瑶は呆れ果てた。「店主さん、私をバカだと思ってるんですか?88円の物を8万8千円で売ろうとするなんて、よく言えますね?」

お金はあるけど、バカじゃない。

店主は続けて言った:「美人さん、あなたのお友達は翡翠のことを全然分かっていません。適当なことを言っているだけです。この8万8千円は本当に高くないんですよ!」

結城詩瑶はもう話す気も失せて、蒼井華和と橘忻乃の手を引いて言った:「華和兄、忻乃、あっちに行きましょう。」

「美人さん!」

結城詩瑶は振り返りもしなかった。

店主は腹が立って仕方がなかった。

全部蒼井華和が余計なことを言うからだ。買う本人でもないのに!8万8千円の商売を台無しにされた!

「美人さん、もう少し足してみませんか?6万6千円でどうですか!」

「5万5千円!」

「......1万1千円!」

結城詩瑶が遠ざかっていくのを見て、店主は焦って急いで言った:「戻ってきて!88円でいいですから。」

このブレスレットの仕入れ値は2本で30元だから、88円でも損はしない。

結城詩瑶は店主を相手にする気も失せて、続けて言った:「華和兄、さっきはありがとう。あなたがいなかったら、今日は騙されるところだった。」

8万8千円だよ!