136:華和兄が場を支配、ビッチ鑑定力NO.1!_2

白川さんは側にいる使用人を見て、「双眼鏡を持ってきなさい」と言った。

使用人はすぐに双眼鏡を彼に手渡した。

白川さんは双眼鏡を受け取り、倍率を上げて、運転席に座っている白い影をはっきりと見た。

一筋の黒髪が車窗から風に揺れていた。

双眼鏡では、彼女の横顔しか見えなかった。

しばらくして、白川さんは双眼鏡を蒼井詠真に渡した。

蒼井詠真は笑いながら言った。「どうだ、私の言った通りだろう?」

その言葉を言い終わると、双眼鏡の中の姿を見て、彼は完全に呆然となった。

まさか。

まさか蒼井華和だとは!

自分の目で見なければ、蒼井陽翔は運転している人が蒼井華和だとは絶対に信じなかっただろう。

前方にはシャープなカーブがあった。

蒼井華和は片手でハンドルを握り、もう片手をサイドブレーキに置いていたが、少しも減速する様子はなく、むしろ速度は増していった。