136:華和兄が場を支配、ビッチ鑑定力NO.1!_6

白川さんは彼が蒼井紫苑に紹介しようとしていた人物だった。

「白川さん、私は彼女の兄です。私は彼女のことを誰よりもよく知っています」蒼井陽翔は続けた。「それに、よく考えてみてください。この世界で、実の妹を誹謗中傷する兄が何人いるでしょうか?」

ただし、その妹が本当に人格に問題がある場合は別だが。

白川さんは椅子に寄りかかり、淡々とした口調で言った。「明らかに、あなたがその一人ですね」

蒼井陽翔は途方に暮れた。

認めざるを得ないが、蒼井華和の手腕は本当に巧みだった。たった一度の出会いで、白川さんは彼女にこれほどの好感を持ってしまった。

白川さんは続けて言った。「こんな良い妹がいるのは簡単なことではありません。兄としてそれを誇りに思うべきで、あとは大切にすることです。今生の兄妹は、前世からの縁です。一度亀裂が入ってしまえば、修復することはできません。若い人は後悔するようなことは控えめにした方がいい」

最後の一言は、深い意味を込めて言われた。

彼は蒼井陽翔より数歳年上に過ぎないのに、まるで数十歳も年上であるかのような口ぶりだった。

蒼井陽翔は続けて言った。「白川さん、妹が優秀であることを望まない兄はいません。私と華和は一緒に育った感情はありませんが、彼女は私の実の妹で、血のつながりがあります。私は根も葉もないことで彼女を傷つけたりはしません」

「申し上げにくいのですが、彼女が戻ってきてから、紫苑は多くの辛い思いをしています。紫苑は養女かもしれませんが、彼女も蒼井家の娘であり、私の妹です。私は公平な立場から話をしているのであって、特定の人を標的にしているわけではありません」

「あなたの養妹は辛い思いをするような人には見えませんがね」と言って、白川さんは続けた。「あなたがそのような発言ができるということは、あなたの心の天秤が既に養妹の方に傾いているということです。ただ、当事者は気付いていないだけです」

蒼井陽翔は焦りを感じていた。

なぜ白川さんが蒼井紫苑をこれほど誤解しているのか、理解できなかった。

世間では、白川さんが今まで独身である理由は、女性を見る目が確かで、下心のある人を見抜けるからだと言われていた。

しかし今日を見る限り。

白川さんは愚かすぎて直視できないほどだった。