141:蒼井兄さんが渣男を痛めつけ、蒼井真緒は怖くて足がガクガクに!(2回目)

蒼井真緒は今、とても興奮していた。

顔には笑みを浮かべている。

彼らが泊まっているホテルはファミリースイートで、両親は別の寝室にいた。

蒼井真緒は寝室のドアの前まで歩いて行き、ノックをして「お母さん」と呼んだ。

すぐにドアが開いた。

周防蕾香は「お父さんは部屋で休んでるわ」と言った。

蒼井真緒は胸の高鳴りを抑えながら、「お父さんを早く起こして!蒼井家の人が来たわ!」と続けた。

「本当?」この言葉を聞いて、周防蕾香も非常に興奮し、目を大きく見開いた。

蒼井真緒はうなずいた。

「すぐに起こしてくるわ」と言って、周防蕾香は「誰が来たの?」と尋ねた。

「蒼井家の長男、蒼井琥翔よ」と蒼井真緒は答えた。

これを聞いて、周防蕾香はさらに興奮した。

蒼井琥翔はビジネス界で名を轟かせている人物だ。

彼が直接来たということは、きっと謝罪に来たに違いない。

周防蕾香は部屋の中へ向かって「蒼井、蒼井家が謝罪に来たわよ、早く起きて」と声をかけた。

この言葉を聞いて、蒼井龍はすぐにベッドから起き上がり、「本当か?」と聞いた。

蒼井家からいつか誰かが来ることは分かっていたが、蒼井龍はこんなに早く来るとは思っていなかった。

やはり真緒は凄い。

周防蕾香はうなずいて「もちろん本当よ」と答えた。

「蒼井家の誰が来たんだ?」蒼井龍は起き上がりながら尋ねた。

「蒼井琥翔よ」

これを聞いて、蒼井龍は少し不機嫌になった。

来たのが蒼井家当主の蒼井修誠ではないとは。

自分を軽く見ているのか?

自分は華和の養父で、世代的には蒼井琥翔の父親に当たるというのに、蒼井家は若い世代を寄越すだけか。

明らかに自分たちを眼中に入れていないということだ。

こんな態度で華和を許してもらおうというのか?

夢でも見ているのか!

蒼井龍がのんびりとした様子を見て、周防蕾香は「早く、蒼井琥翔が外で待ってるわよ」と急かした。

蒼井家は大きな獲物だ、焦らせてはいけない。

「何を急ぐことがある!」蒼井龍は怒鳴った。「今は向こうが頼みに来てるんだ、こっちが頼んでるんじゃない!待たせておけ!」

周防蕾香はこの言葉を聞いて、蒼井龍の言う通りだと思い、笑いながら「それなら簡単よ、蒼井琥翔に言って、蒼井修誠を呼べばいいわ」と言った。

今や蒼井家は、彼らの言うことなら何でも聞くはずだ。