147:蒼井紫苑の顔が真っ青に、その美しさに息をのむ!_3

蒼井華和はまるで太陽のような存在だった。

彼女のすべての光を奪い取ってしまった。

いいえ。

だめ。

こんなことは起こさせられない。

蒼井華和はこの家から消えなければならない。

そう考えると、蒼井紫苑は目を細めた。

須藤佳希は蒼井華和を見て、「紅音、じゃあこれで決まりね!約束だよ!その時は私が迎えに行くから!」

「うん」蒼井華和は軽く頷いた。

須藤佳希は何かを思い出したように続けた。「そういえば澪、あなたの家のお婆さんは?」

篠崎澪は笑いながら答えた。「昨夜、三男夫婦に海浜市へ連れて行かれたわ。三が日が過ぎたら戻ってくるって」

「そうなの!」須藤佳希は頷きながら評した。「あなたの家の三男は本当に親孝行ね!」

「ええ」篠崎澪は笑顔で答えた。「次男も三男も本当に親孝行なの」

「やっぱり子供は多い方がいいわね。あなたの家のお婆さんを見てると!私たちももっと産んでおけば良かったわ!」

蒼井華和は嶽本夫婦を二階に案内した。

彼女は早乙女恵子の脈を診た。

早乙女恵子は緊張した面持ちで尋ねた。「蒼井さん、どうですか?」

蒼井華和は早乙女恵子の手を離し、「嶽本奥さん、ご心配なく。脈は安定しています。ただし、妊娠初期なので食事には気をつけてください。山査子や竜眼、ライチなどの果物は控えめにしてください」

早乙女恵子はようやく安堵の息をつき、蒼井華和を見つめた。「蒼井さん、あなたは私たち家族の恩人です。私たち夫婦には何もお返しできませんが、どうかこれだけは受け取ってください」

そう言って、早乙女恵子は古めかしい木箱をテーブルに置いた。

早乙女恵子は続けた。「この箱の中には玉佩が入っています。祖母から譲り受けたもので、災いを払い、安全を守ってくれると言われています」

この玉佩以外に、早乙女恵子は他に良い贈り物を思いつかなかった。

玉佩は赤い天鵞絨の布の上に静かに横たわっていた。

灯りに照らされ、透き通るような輝きを放っており、かなりの年代物であることが一目で分かった。

蒼井華和は言った。「嶽本奥さん、そんな貴重な物は頂けません」

「蒼井さん、もしお受け取りいただけないなら、私たち夫婦は安心して眠れません」

蒼井華和は彼らに再生の希望を与えたのだ。

一つの玉佩どころか。

全財産を投げ出してでも、彼らは喜んで差し出すつもりだった。