142:蒼井真緒の本性を見抜かれ、須藤悠翔は呆然とした!_2

「もちろん変えたわ!」麗姉は笑いながら言った。「特別に力を入れたの。痛がってくれたわ!」

「そうそう!」

「こういう人は本当に気持ち悪いわ」

「次は私が包帯を変えてあげる。しっかりマッサージしてあげるわ!」

蒼井龍と周防蕾香の一家三人に対しては、暴力には暴力で対抗すべきだ。報復は必ず来ると思い知らせてやる!

病室内の蒼井真緒は警察からの電話を受けた。

「蒼井さん、こちらで有効な証拠を提供できますか?証拠がなければ、蒼井琥翔さんを拘留することはできません」

蒼井真緒は言った。「蒼井琥翔は確かに父を殴りました。ホテルのスタッフ全員が目撃しています。そうそう、監視カメラもありますよ。確認してください!」

「申し訳ありません蒼井さん、ホテルのスタッフ全員が蒼井琥翔さんが来たことを否定しています。また、ご指定の時間帯の監視カメラにも、蒼井琥翔さんがホテルに来た記録はありませんでした」

どうしてこんなことに?

蒼井真緒の顔が真っ青になった。

ホテルのスタッフが蒼井琥翔を見なかったと言うのはまだしも、監視カメラにも映っていないなんて!

一体どういうことなの!

切れた電話を見つめ、蒼井真緒は完全にパニックに陥った。

もう誰に頼ればいいのかわからなかった。

電話を切ると、周防蕾香はすぐに尋ねた。「真緒、どうだった?」

蒼井真緒は黙っていた。

周防蕾香は非常に焦っていた。

そのとき、蒼井龍の携帯電話が鳴った。

周防蕾香はすぐに電話を取った。「はい」

電話の向こうで何か言われたのか、周防蕾香の顔色が一瞬で真っ青になった。「藤井会長、少々お待ちください。蒼井はまだ意識不明の状態です。真緒に代わらせます」

言い終わると、周防蕾香は携帯電話を蒼井真緒に渡した。「ま、真緒、藤井会長からよ」

蒼井真緒は電話を受け取った。

途端に全身の血の気が引いた。

電話の向こうでは、蒼井グループが大量の悪意ある注文、悪意ある評価を受け、取引先が次々と契約解除に来ているという...

わずか数時間で、蒼井グループは数千万円の損失を出していた。

もともと蒼井琥翔の会社が遭遇していた事態が、今や蒼井家に降りかかっていた。

蒼井真緒は生まれてこのかた、順風満帆で、どんな苦難も経験したことがなかった。

でも今は。

全て蒼井華和のせいだ。