168:帝州大学の招待状、これはなんて素敵な妹!_2

朝比奈瑠璃の笑顔があまりにも綺麗だった!

黒川振一は積極的に話題を探り、「五美さんはまだ学生だと聞いたんですが?」

五美という名前を聞くと、朝比奈瑠璃は違和感を覚えた。

しかし、この名前は両親が付けてくれたものだと思い、特に何も言わずに頷いて答えた。「はい、そうです。黒川兄貴はどうですか?母から聞いたんですが、もう起業されたんですよね?」

二人が話している間、若松山根と橘秀実は目配せを交わした。

橘秀実は察して、すぐに若松山根の側に寄った。

若松山根は声を潜めて言った。「周防翠子は私たちの娘を気に入らないようだな。」

周防翠子は黒川母の本名だった。

それを聞いて、橘秀実は黒川母の方を見やり、目を細めた。

そして、橘秀実は黒川振一の方を向き、心に決めたように笑って言った。「強平は車で来たんでしょう?五美を町に連れて行ってあげたら?」

村と比べると、町の方がずっと賑やかだった。

若いカップルのデートにも適している。

それを聞いて、黒川振一は急いで頷いた。「いいですね!」

そう言って、朝比奈瑠璃の方を見て、興奮した様子で言った。「五美、行きましょう。」

黒川振一の身長は165センチにも満たなかった。

肌は少し黒かった。

長年のビンロウジュの習慣で歯は黄ばんでおり、話すと消せない臭いが漂った。

彼女を見る目つきも特に不快だった。

気のせいかもしれないが。

朝比奈瑠璃には、黒川振一が自分を見る目が、まるで服を着ていないかのように感じられた。

目的があまりにも露骨だった。

朝比奈瑠璃はこのような人と買い物に行くのに耐えられなかった。

しかし母の言葉を思い出し、頷いて同意した。

黒川振一の外見が良くないからといって、差別してはいけない。

彼の自尊心を傷つけてもいけない。

「いいですよ。」朝比奈瑠璃は頷いた。

それを聞いて、黒川振一はさらに興奮した。「じゃあ、今すぐ行きましょう。」

朝比奈瑠璃は黒川振一の後について歩いた。

車に乗る時、朝比奈瑠璃は後部座席に座るつもりだったが、黒川振一は先に助手席のドアを開けた。

朝比奈瑠璃は黒川振一を直接断れず、前に進んで助手席に座った。

朝比奈瑠璃は見た目をとても気にする人だった。

今日は肌の色に合う水色のワンピースを着て、薄化粧をし、香水をつけていた。