「出て行け、ここにはお前の居場所はない!」
蒼井陽翔のしたことを思い出すたびに、蒼井修誠は怒りが収まらなかった。
蒼井華和にこれほどの傷を負わせておきながら、今さら間違いに気づいたと言って許してもらえると思っているのか?!
そんなことがあるわけない!
良き言葉は三冬を暖め、悪しき言葉は六月をも寒くする。
そう言うと、蒼井修誠は窓を閉めた。
「お父さん!」
蒼井陽翔は蒼井修誠を信じられない目で見つめた。
父がこれほど冷酷になれるとは思いもしなかった。
もう自分の過ちに気づいたというのに!
父は一体何を望んでいるのだ!
蒼井陽翔は車の反対側に回り、窓を叩いた。「お母さん!お母さん!」
篠崎澪なら必ず許してくれるはずだ。
しかし、篠崎澪は顔を背け、蒼井陽翔など見えないかのように振る舞った。