180：顔が痛い、蒼井陽翔は呆然となった！_3

「お兄さん、大丈夫？」

「大丈夫だよ」蒼井紫苑を心配させないように、蒼井陽翔は笑顔で答えた。「心配しないで」

蒼井紫苑はため息をついた。「お兄さん、今どこにいるの？」

「紫苑、本当に心配しなくていいんだ」蒼井陽翔は続けた。「もう横になってるから」

「お兄さん、顔は大丈夫？お父さんと兄さんの手が結構重かったみたいだけど、痛くない？」蒼井紫苑の声には涙声が混じっていた。「お兄さんは頑固すぎるわ。お父さんたちに逆らう必要なんてないのに。芸能界で働いてるんだから、顔が一番大事なのに。でも今は......」

それを聞いて、蒼井陽翔の笑顔が一瞬凍りついた。

蒼井紫苑でさえ、俳優にとって顔がどれほど重要かを知っている。

なのに、父と兄は彼にこんなことをした。

それも、最近戻ってきたばかりの妹のために。

蒼井華和に申し訳ないと感じているからって、こんなに理不尽なことをするのか？

笑えない、本当に笑えない！

言葉が落ちると、蒼井紫苑は続けた。「お兄さん、もうお父さんたちと争わないで、帰って謝ってきたら？結局は家族なんだから、事を荒立てない方がいいわ」

謝る？

その言葉を聞いて、蒼井陽翔は激怒した。

なぜ彼が謝らなければならないのか！

「間違っているのは蒼井華和だ！なぜ俺が謝らなければならない！」

蒼井華和が未婚で妊娠して、それが正しいというのか？！

「お兄さん」蒼井紫苑は思いやりを持って言った。「お姉さんの言う通りよ。彼女は外で多くの苦労をしてきたの。私たちは彼女に申し訳ないことをしたわ。彼女への償いだと思って。お兄さんが出て行った後、両親はすごく怒ってたわ！お父さんは兄さんを書斎に呼んでいったの。お兄さんが自分から謝りに来ないと、両親は本当に怒るわよ！もし本当に帰って来させてもらえなくなったらどうするの？」

「じゃあ帰らないさ！そんなのが家なのか？」この言葉は完全に蒼井陽翔の怒りに火をつけた。「それに、俺は蒼井華和に何の負い目もない。彼女を失くしたのは俺じゃない！悪いのは彼女自身の運が悪かっただけだ！」

蒼井華和の運が悪かっただけだ！

なぜ蒼井家の他の子供たちは迷子にならなかったのに、彼女だけが迷子になったのか？

彼女が不幸だからって、それが理由になるのか？

彼女が不幸だからって、未婚で妊娠して家族の名誉を汚していいのか？