どうすればいい?
彼女は人を殺してしまった!
まさか彼女が人を殺すなんて!
いいえ。
彼女は人を殺していない。
高城ママは必死に冷静さを取り戻そうとし、震える指を榊原詩々の鼻先に近づけた。
息の音は全くない。
かすかな息づかいすら感じられない。
死んでいる。
本当に死んでいる。
榊原詩々は本当に死んでしまった。
今どうすればいい?
人を殺すつもりなんてなかったのに。
高城ママの額には次々と冷や汗が浮かんだ。
冷静にならなければ。
慌ててはいけない。
高城ママは榊原詩々を部屋に引きずり込み、その後雑巾を持ってきて、床の跡を軽く拭き取った。
それらを済ませると、高城ママは自分の寝室に向かった。
部屋中にアルコールの臭いが充満していた。
榊原満山は酔いつぶれてベッドで寝ていた。