208:死体遺棄現場(2更)

どうすればいい?

彼女は人を殺してしまった!

まさか彼女が人を殺すなんて!

いいえ。

彼女は人を殺していない。

高城ママは必死に冷静さを取り戻そうとし、震える指を榊原詩々の鼻先に近づけた。

息の音は全くない。

かすかな息づかいすら感じられない。

死んでいる。

本当に死んでいる。

榊原詩々は本当に死んでしまった。

今どうすればいい?

人を殺すつもりなんてなかったのに。

高城ママの額には次々と冷や汗が浮かんだ。

冷静にならなければ。

慌ててはいけない。

高城ママは榊原詩々を部屋に引きずり込み、その後雑巾を持ってきて、床の跡を軽く拭き取った。

それらを済ませると、高城ママは自分の寝室に向かった。

部屋中にアルコールの臭いが充満していた。

榊原満山は酔いつぶれてベッドで寝ていた。

高城ママは目を細めた。

すぐに大きなスーツケースを持ってきて、榊原詩々を中に詰め込んだ。

榊原詩々は十四歳とはいえ、体格が小さく痩せていたため、簡単にスーツケースに収まった。

その時。

高城ママは突然、榊原詩々の手首に着けていたスマートウォッチに気付いた。

すぐにそれを引きちぎり、足で踏み潰してから、ゴミ箱に捨てた。

全てを済ませると、高城ママはキャリーバッグをリビングに置き、寝室に戻って熟睡している榊原満山を揺り起こした。「起きて!起きて!」

榊原満山は目を開け、高城ママの髪を掴んで、「このあまぁ!調子に乗ってんじゃねえぞ!」

よくも彼の眠りを妨げたものだ!

口を開けば、さらに強い酒の臭いが漂った。

榊原満山は毎日このような状態だった。

酒びたりの日々。

高城ママは痛みで眉をひそめながら、ポケットからお金を取り出した。「お父さん、あの、今日ボーナスが出たの。お酒代に使って」

お金を見た途端、榊原満山の表情が変わり、すぐに高城ママが差し出したお金を受け取り、まずまず満足げに頷いた。「早く言えよ!」

榊原満山は数えてみると、合計で二千数百元あった。

また賭け事ができる!

彼はお金を持って外に向かった。

高城ママは彼の背中を見つめながら、目を細めた。「お父さん」

「このあまぁ!」榊原満山は怒りを含んで振り返った。「何だよ、また?」