高城ママは黙り込み、ドアの外へ向かって歩き出した。
高城ママが去った後、橘姉はすぐに高城ママが切った爪を集め、五階の書斎へ向かった。
これは蒼井琥翔の書斎だった。
「若様」
声を聞いて、蒼井琥翔は軽く目を上げた。「入れ」
橘姉はドアを開けて入り、笑顔で言った。「若様、ご指示いただいた件です」
そう言って、橘姉は布で包んだ爪を机の上に置いた。
蒼井琥翔は布の上の爪を見て、低い声で尋ねた。「確かに高城ママ本人の爪か?」
橘姉は頷いた。「はい、ご安心ください。高城ママが切るところを私の目で確認しました」
「よくやった」蒼井琥翔は続けて言った。「お前の息子の件は既に話を通してある。明日から直接出社させればいい」
それを聞いて、橘姉は非常に興奮して言った。「ありがとうございます、若様!ありがとうございます!」