取り調べを担当する警官が続けて尋ねた。「では、榊原満山は?」
榊原満山の話題になると、若松姉はため息をついた。「家族の中で榊原満山だけがろくでなしです。彼は酒を飲むのが好きで、酔うと必ず人を殴り、詩々母を散々に打ちのめすんです!私たちは詩々母に離婚を勧めましたが、詩々母はいつも怖くてできないと言うばかりでした。」
この言葉を聞いて、女性警官は高城ママの顔の傷痕を思い出した。
もしかして。
彼女の顔の傷は、榊原満山のDVによるものなのか?
女性警官は更に尋ねた。「なぜ離婚するのが怖かったのですか?」
若松姉は答えた。「榊原満山が脅したからです。もし離婚しようとしたら、詩々母の家族全員を殺すと。」
それを聞いて、調書を取っていた警官は眉をしかめた。
想像もできない。
世の中にこんな父親がいるなんて!