エレベーターは十七階で止まった。
十七階には無菌室があり、そこにはエリート医療チームが配備されていた。
「先生」
エレベーターのドアが開くと、白衣を着た医師がすぐに近づいてきた。「今日の調子はいかがですか?」
蒼井華和が診断してから、もう半年近く経っていた。
今、如月廷真は以前の姿に戻っていた。
状態は以前よりも更に悪化していた。
「今日はお薬を時間通りに飲みましたか?」
秘書がすぐに答えた。「全て服用しました」
医師は頷いた。
車椅子に座った男は、疲れた様子で太陽穴を押さえた。
一方。
河内市。
もうすぐ早坂明慧の誕生日だった。
慣例によると、毎年盛大に祝うことになっていた。誕生日は年に一度しかないのだから。
そのため、如月家の二人の嫁である矢野花音と篠崎月蓉は前もって計画を立て始めた。