246:二人の大物が演技力を競い合う_5

大和国人はほんとに恥知らずだ。

盗作までして帝州大学にまで及んだなんて。

気持ち悪い盗作者が、よくもまあこんな高級なパーティーに参加する面の皮があるものだ。

恥ずかしくないのかしら。

春奈樱子はある言葉を信じていた。

因果応報。

蒼井華和のような人間は、いつか必ず正体を暴かれる日が来る。

まさに、高く登れば登るほど、落ちたときの痛手は大きい。

彼女は蒼井華和が雲の上から落ちてくるのを待っている!

そう思うと、春奈樱子は目を細めた。

「樱子」耳元で再び伊藤拓真の声が聞こえた。

春奈樱子は気づかれないように目を細めた。

「伊藤さん」

伊藤拓真は続けた。「樱子、君に話したいことがあるんだ」

「何かしら?」春奈樱子は尋ねた。

伊藤拓真は真剣な表情で言った。「僕は、今日のパーティーで運命の人に出会ったかもしれない」