結城陽祐は逃げ出す夏川清美の後ろ姿を見つめ、自分の指先を見下ろすと、思わず軽く微笑んだ。
ぽっちゃりくんは照れちゃったのかな?
夏川清美が病室を出ると、大きなハサミを持って、まるで庭師のような健二と出くわした。「清美さん、お帰りですか?運転手をすぐに呼びましょう」
「うん」清美は小さく返事をした。
しかし健二はまだ続けた。「暑いですか?」
清美は不思議そうな顔をした。
健二は頭を掻きながら、「暑くないんですか?顔が真っ赤になってますよ」
清美は「……」どこが赤いの?どこも……
「病室が少し暑かったの。そうだ、知ってるフィットネスインストラクターを紹介してもらえない?」清美は暑いか暑くないかという話題にこだわりたくなく、急いで話題を変えた。
健二は聞いて、「清美さんはフィットネスを始めるんですか?」