第242話 清美さん、うちの若様を選びませんか?

結城陽祐は逃げ出す夏川清美の後ろ姿を見つめ、自分の指先を見下ろすと、思わず軽く微笑んだ。

ぽっちゃりくんは照れちゃったのかな?

夏川清美が病室を出ると、大きなハサミを持って、まるで庭師のような健二と出くわした。「清美さん、お帰りですか?運転手をすぐに呼びましょう」

「うん」清美は小さく返事をした。

しかし健二はまだ続けた。「暑いですか?」

清美は不思議そうな顔をした。

健二は頭を掻きながら、「暑くないんですか?顔が真っ赤になってますよ」

清美は「……」どこが赤いの?どこも……

「病室が少し暑かったの。そうだ、知ってるフィットネスインストラクターを紹介してもらえない?」清美は暑いか暑くないかという話題にこだわりたくなく、急いで話題を変えた。

健二は聞いて、「清美さんはフィットネスを始めるんですか?」