結城邸。
病院にいた時、結城陽祐は電磁波治療を続けていた。抜糸後、病院に戻ると、夏川清美は夏目家秘伝の漢方薬を数服処方し、骨の治癒を促進させた。
同時に厨房に食材リストを渡し、食べてはいけないものを明記し、栄養補給をしながら、傷跡の増生を防ぐようにした。
二十日余りが経過し、結城陽祐の傷は順調に回復し、動きも通常通りになった。ただし、激しい運動はまだ控えめにする必要があった。
結城陽祐は暇を持て余し、朝日の中で座り、階下で夏川清美が中高年グループと太極拳を練習する様子を眺めていた。その様子は、一階の空き地を広場のように使っていた。
夏川清美は広場ダンスのリーダーだった。
傍らで藤堂さんが木村久美を車椅子で押しながら見物し、健二は脇の花壇の手入れをするよう言いつけられていた。