「陽祐さま、清美さんのために彼らを始末してしまいましょうか?」健二は、二少が再び沈黙に陥るのを見て、思わず提案した。
結城陽祐は彼を横目で見て、「始末?それじゃあ甘すぎる」
「では彼女たちを……」
「まずは彼女に任せよう。復讐は自分でやってこそ気が晴れるものだ」結城陽祐は言い終わると立ち上がった。
健二は慌てて尋ねた。「どちらへ?」
「包帯を替えに」結城陽祐はそう言い残して歩き続けた。
健二は急いで言った。「すぐに秋山先生をお呼びします」
結城陽祐は健二に冷ややかな視線を投げかけ、乳児室の方向へ歩いて行った。
健二は頭を掻きながら、包帯を替えるんじゃなかったのか?なぜ清美さんのところへ?と思った。
結城陽祐が到着した時、夏川清美は夕食を終えて戻ったところで、木村久美をあやしていた。陽祐を見て不思議そうに「夕食を食べていないの?」と聞いた。