第305章 制御を失った鈴木末子

林夏美は鈴木の母娘の反応を見逃さず、淡々と微笑んで、「皆様すでにお知らせを受け取っていると思いますが、本日から富康製薬は私が…」

一瞬間を置いて夏川清美は続けた。「林夏美が最高責任者として、つまり富康製薬の新しい取締役会長として就任します。」

言い終わると、夏川清美は淡々と全員を見渡し、林富岡の怒りに満ちた顔に目を留めて、微笑んで言った。「この数年間、富康製薬は下り坂を続けており、赤字すれすれの状態だと承知しています。三つの医薬品特許だけで何とか持ちこたえている状況です。私の理解が間違っていなければ、皆様は三年間賞与を受け取っておらず、三ヶ月分の給与もやっと昨日支払われたのではないでしょうか?」

この言葉が終わると、会議室にはようやくまばらな議論の声が上がった。