夏川清美はまだ結城陽祐が世界で一番美しい人だと感心していて、全く心を痛めている様子はなかった。
しかし結城陽祐は他人が自分のぽっちゃりくんのことを言うのが気に入らず、「目が見えないなら治療に行けばいい。人の目を傷つけるような姿を見せるな」と言った。
結城和也は結城陽祐が自分を非難するとは思っていなかった。この妖怪が人の目が見えないなどと言う資格があるのか、自分が選んだデブ野郎がどれほど奇妙か見てみろ、と怒りで立ち上がりそうになった。
「そうだね坊や、こんな大きなピンクダイヤモンド、お小遣いで足りるの?それに、あなたの連れの女性が他人の婚約者だって知ってる?今時の子は本当に変わった趣味してるね。男の略奪愛も略奪愛、捕まったら父親に足を折られるよ」と沢田浩司は結城和也の近くで意味深げに言った。