第426章 私たちの久美ちゃんは見ません、恥ずかしいです(月票募集)

結城陽祐は驚いて慌てて夏川清美を掴もうとした。

しかし、彼が夏川清美を掴んだ時、漁網の中のスズキが突然跳ね出し、水しぶきを上げて彼の目に入った。

次の瞬間、夏川清美と一緒に湖に落ちてしまった。

幸い二人とも湖畔にいたので、水は深くなかったが、ただ……

空気の中で、最も恐ろしいのは突然の静けさだった。

結城陽祐は夏川清美の上に覆いかぶさり、湖水に半分浸かった夏川清美を見下ろした。

女性は怒りの表情で彼を見つめていた。

彼は少し戸惑っていた。

なぜ彼女は怒っているのだろう?

以前はなぜ気づかなかったのだろう、ぽっちゃりくんが彼を押さえつける必要はないのに。

「うーん、いつ起き上がるつもり?」夏川清美は水を一口飲んでしまい、話すときも胸が苦しかったが、その上に乗っている男性がまるで癖になったかのように、長い間動かなかった。

「私は...今起きます。」結城陽祐は夏川清美の怒りに少し困惑し、慌てて立ち上がろうとしたが、慌てた拍子に近くの漁網に引っかかり、半分起き上がったところでまた倒れてしまった。

「うっ……」

夏川清美は圧迫感で苦しそうに呻いた。元々頭が半分水面に出ていたのに、今度は完全に押し込まれ、口と目を閉じて水が入るのを防いだ。

しかし結城陽祐は転んでぼんやりしていた。

八月末の京都はまだ残暑が厳しく、二人とも薄着で、しかも彼が選んだ最も肌触りの良い素材だった。今や水の中で二人が密着していると、まるで布地が隔てていないかのようだった。

前回は夏川清美を引っ張ることに必死で、はっきりとは感じなかったが、今回は違った。

夏川清美は窒息しそうだったが、彼女の上に乗っているその憎らしい男性はまだぼーっとしていた。手で押しながら、口からもごもごと「早く起きて、起きて……」と叫んだ。

結城陽祐は夏川清美のもがきを感じて、ようやく我に返り、何かを思い出したように岸辺の呆然とした人々を見て、「みんな向こうを向け。」

岸辺で若奥様と二少爺を助けようとしていた人々は慌てて後退し、どうしたらいいか分からない様子だった。

健二は叱られた後、急いで手で目を覆い、まだ前に出ようとする結城執事と雲さんを引き止めた。「二人とも早く二少爺と若奥様の着替えを用意してください。」

「ああ、はい。」