第497章 なぜ医学を学ぶの?

夏川清美は悩んでいた。本当に悩んでいた。

大学二年生なのに、なぜこんなに素人なのか。

いや、大学二年生全体が素人というわけではなく、彼女のグループが素人なのだ。

夏川清美は真剣に來福を見つめ、「なぜ医学を選んだの?」と尋ねた。

來福は浅黒い顔を彼女の方に向け、素朴な表情で夏川清美を見つめ、先ほどの怪しげな様子は完全に消え、「俺の親父が言うには、医者はいいって。病気を治して人を助けられるし、お金も稼げるって」

夏川清美は親指を立てて、「お父さんの言う通りね」と言い、次に黒川花音に向かって「あなたはなぜ医学を?」と尋ねた。

「私の祖父は村の赤脚医生でした。三年前に亡くなって、村に医者がいなくなったので、父が私に医学を学ばせることにしたんです。将来、村に戻って祖父の跡を継ぐためです」黒川花音は真面目な表情で答えた。