第552章 清美がどれほどあなたを信頼していたか知っていますか?

結城陽祐が階下に降りると、夏川お爺さんはまだいた。

傷の手当てが終わった後、お爺さんは複雑な眼差しで結城陽祐を見つめ、「何か知ったのか?」と尋ねた。

そうでなければ、結城陽祐の性格では彼を許すはずがないし、加藤迅が佐藤清美を連れ去ったことについてもそれほど疑問に思わないはずがない。

「ああ」結城陽祐は鈍く返事をした。むしろ知らなければよかった、そうすれば嫉妬することもなかったのに。

お爺さんは軽くため息をつき、「もういい」と言った。

そう言うと、腰を曲げて自分の部屋へと向かった。

結城陽祐はそれを見つめ、心中穏やかではなかった。そのとき携帯が鳴り、野村黒澤が鈴木真琴を連れてきたと告げた。

乱れた感情を抑え、結城陽祐は直接地下室へと向かった。

彼が着いたとき、鈴木真琴はすでに床に跪いていた。

結城陽祐は暗夜の閻魔様のように険しい表情を浮かべ、「俺が信頼して清美を任せたことを知っているか?」と問いかけた。

鈴木真琴は黙っていた。

「清美がお前をどれだけ信頼していたか分かるか?」結城陽祐は彼女が答えるかどうかに関係なく、再び問いかけた。

今度は鈴木真琴の体が少し震えたが、頭を下げたまま依然として黙っていた。

結城陽祐は目の前の人物を見つめ、心の底から湧き上がる暴虐性に突き動かされ、突然前に出て一蹴りを見舞った。

バン!

鈴木真琴は全く防ぐ間もなく、バンという音とともに激しく床に叩きつけられ、痛みで呻いた。顔を上げた瞬間には信じられないという表情を浮かべたが、次の瞬間には再び頭を下げた。

「俺はお前に良くしてきたはずだ。それとも清美が何か悪いことをしたのか、お前がこうまで計画的に彼女を陥れるようなことを?」結城陽祐の整った顔は氷のように冷たく、地下室全体が骨まで凍えるような寒さを帯びていた。

野村黒澤は頭を下げたまますますに頑なになっている鈴木真琴を見て、「何か困ったことがあるなら直接言えばいい。二少は道理の分からない人間じゃない」と言った。

「何もありません」鈴木真琴は首を振った。

結城陽祐は呆れて笑い、しばらくしてから突然鈴木真琴の傍らにしゃがみ込み、手で彼女の顎を掴んで顔を上げさせ、邪悪な笑みを浮かべながら「俺に惚れたのか?」と言った。