第555章 二少を罵るのはいいが、彼の婚約者を罵ってはいけない

三十分後、ネットユーザーたちは再び正陽様の神業を目の当たりにした。

前回の婚約パーティーで夏川清美を中傷し、罵倒した人々全員に結城財閥から警告状が送られ、今回も正陽様を擁護して佐藤清美を罵倒したネットユーザーたちに、同様の警告状が届いた。

一時、ネットユーザーたちは清美への罵倒を控えたものの、林デブに「正陽様に呪いをかけたのか?」と問いかけずにはいられなかった。

午後になる前に、結城財閥の次男が呪いにかかったという話題が trending に上がった。みんなは今回も正陽様が対応すると思ったが、結城の弁護団は静かなものだった。

ついに皆は気づいた。正陽様を罵ることはできても、正陽様の婚約者を罵ることは絶対にできないと。

傍観していた野次馬たちは思わずため息をつき、さすが他人の婚約者だと感心した。詮索好きな人々は、正陽様が婚約式の生配信で語った言葉を掘り起こし、その一言一言が心温まるものだった。