結城陽祐は加藤迅がこんなに卑劣だとは思わなかった。
彼は早くから佐藤清美がお爺さんに持っていった箱に監視カメラを仕掛けていたのだ。あの時から彼は清美のことを疑っていたのだろうか?
その後のすべては、彼の推測を確認するためだったのだ。
「くそっ!」結城陽祐は呪いの言葉を吐いた。
清美の持ち物をもう一度すべて調べ、他の監視装置が仕掛けられていないことを確認して、結城陽祐の表情がようやく和らいだ。
しかし、残りの物からは多くの手がかりは得られなかった。
結城陽祐は夏川清美の学習ノートまでめくって見たが、すべて学習内容で、余計な個人的感情は一言も書かれていなかった。
彼は少し落胆しながら最後のアルバムを手に取った。
さっき見たものだが、清美の幼少期から現在までの記録だった。ただし、写真は少なく、他の女の子のように写真を撮るのが好きではなかったようで、写真は寂しいほど少なく、ほとんどが卒業写真や受賞時の集合写真だった。彼はさっきまでじっくり見る余裕がなく、最後にゆっくり見ようと思っていた。
今、手に取って、掌の中で何度もそっと撫でてから、慎重に開いた。
最初の写真は生後10ヶ月の写真で、クマのぬいぐるみと同じくらいの大きさだが、クマより2、3ヶ月小さく見え、小さな子猫のようで、おでこに赤い点があり、とても可愛らしかった。
そして1歳、2歳と...徐々に美しい少女に成長していく。
7歳の写真を見たとき、結城陽祐は一瞬固まった。あの夜、思い出した二人の初対面の記憶は、ただ恋しさのあまりの妄想だと思っていたが、写真の少女を見て、そうではないことに気付いた。
それらの記憶はすべて真実だった。7歳の彼女は記憶の中と同じ姿で、小さく華奢な体つきで、カメラの前で少し緊張しながらも、骨の髄まで染み付いた気品を隠せず、一目見て忘れられない存在だった。
その後の写真はさらに少なくなり、10歳から13、14歳までは完全に空白だった。結城陽祐は、彼女がその時期ずっと飛び級をしていたため、卒業する機会もなく他の学校に進学していたのだろうと推測した。15歳の夏川清美は既に凛として美しく成長していた。
現在の夏川清美とは少しも似ていないように見え、むしろその時の彼女の目には迷いが見えた。結城陽祐の心は突然刺されたように痛んだ。
彼の清美にも青春の迷いの時期があったのだ。