ピッ。
結城陽祐が去った後も、夏川清美は不安が残っていた。
考えた末、木村久美を雲さんと藤堂さんたちに預け、健二を呼んでウォルドーフまで送ってもらうことにした。
車が目的地に近づいた時、夏川清美の携帯に見知らぬ番号からメッセージが届いた。
何気なく開いてみると福田美沙紀からのメッセージで、一瞬にして全身が爆発しそうになり、健二に向かって低い声で叫んだ。「もっと急いで!」
健二は驚いて「奥様、何かあったんですか?」
「野村越の電話番号を知ってる?教えて」夏川清美は健二の質問に答えず、直接尋ねた。
健二は急いで携帯を夏川清美に渡し、「パスワードは最初の6桁の数字です」と言った。
夏川清美は携帯を受け取って一瞬戸惑ったが、123456だと気づいた。健二を責める暇もなく、野村越の番号を探して電話をかけた。