第663章 二少が自ら出て噂を否定する

夜、久美は二人の間で寝ていた。

小さな子は一歳になり、ますます落ち着きがなくなって、寝るときは布団を蹴り上げ、両側をしっかりと押さえつけないと収まらない。

小さな子が寝付いてから、夏川清美と結城陽祐は横になった。

向かい合って、真ん中で熟睡している小さな子を挟んで、二人は一瞬驚いた後、一緒に笑い出した。

そのとき結城陽祐は携帯を取り出し、小さな子の手を真ん中に置き、自分がまず半分のハートを作り、そして夏川清美を見た。

夏川清美はすぐに理解し、もう半分のハートを完成させた。

カシャッ。

結城陽祐は片手で携帯を掲げてカシャッと一枚撮り、そして何年も更新していないWeiboにログインし、写真をアップロードして、「私たち三人」というコメントを添えた。

そして電源を切り、大小二人を抱きしめて眠った。

しかし、彼らは眠っても、ゴシップ好きなネットユーザーたちは眠れなかった。

野村黒澤のチームは、メディアに一つ一つ電話をかけてニュースを取り下げさせるだけでなく、有名人に依頼して世論の焦点を福田美沙紀と矢崎碧里に向けさせ、さらに各エンターテインメントプラットフォームで投稿の拡散を監視しなければならなかった。

しかし彼らが削除する一方で、誰かが絶えずこれらの投稿にホットサーチを買い続けていた。

何度も繰り返されるうちに、多くの一般人が引き寄せられ、結城陽祐が心虚になって大規模な削除を行っているのだと考えた。

最初は一部の人々だけが関与していたが、ホットサーチに上がると、ゴシップ好きなネットユーザーたちが全員オンラインになり、多くの人々が水軍に煽られて、この結城様の過去を掘り返し始めた。

結城陽祐への非難の声もますます多くなり、ほとんどが女性を利用して出世したこと、大任に堪えられないこと、結城財閥を継承しても不安定要素をもたらすだけだと攻撃していた。

しかし、矢崎碧里を熱心に推す一派もあり、彼女と結城陽祐は身分も地位も容姿も本当の天生の一対だと考え、以前正陽様と林夏美が婚約式を行ったのは相手を哀れんでのことだと主張した。

さらに、かつての夏美の婚約式前の太くて見苦しい写真を掘り出し、結城陽祐と比較して、「釣り合っているのか?」と人々に問いかけた。

この写真は成功裏に大衆の同情を結城陽祐に向けさせた。