第677章 男としての責任を持て

結城和也は結城陽祐の言葉を聞いて、愚かな笑みを浮かべた。「兄さんの言う意味は?」

「誠意が足りない」結城陽祐は冷酷無情に四文字を返した。

結城和也はドンとソファーに倒れ込んだ。「どんな誠意が必要なのか言ってくれよ。どうしても駄目なら株式の5%を売るけど、それ以上は無理だぞ。これで老後を過ごすつもりなんだから!」

先ほどの媚びた態度は消え、今度は開き直ったような態度に変わっていた。

「あの夜、矢崎お嬢様と一緒にいたそうだな」結城陽祐は事実を述べるように言った。

結城和也はそれを聞くと、警戒して姿勢を正し、急いで胸を押さえた。「兄さん、何をするつもりなんだ?」

「ああ、ただ男として責任を持てと言っておきたかっただけだ」結城陽祐は肩をすくめた。

結城和也は泣きそうになった。「なんで?彼女が僕を誘ったんだ、責任を取るべきなのは彼女の方だろ!」