第753章 妻を虐げる一時の快楽

遠山惠が顔を上げると、美しい顔が目に入った。男性が高い位置から彼女を見下ろし、眉をわずかに寄せていた。それだけで彼女の全身の毛が逆立った。「藤、藤原先生?」

藤原悠真は床に座っている女性を一瞥し、不機嫌そうな表情で少し離れた傲慢な女性を見た。

その女性は藤原悠真を見ると目を輝かせ、明らかに彼を認識していた。突然、先ほどの横柄な態度を改め、色っぽく振る舞い始めた。藤原悠真が彼女を見ていることに気づくと、さらに媚びるような仕草で、襟元を少し下げて積極的に話しかけた。「藤原先生、なんて偶然でしょう。あなたもここにいらっしゃるなんて」

そう言いながら、派手な化粧をした女性の顔に嘲笑の色が浮かんだ。床に座っている遠山惠を見て、「藤原先生、この人をご存知なの?この人、詐欺師なんですよ。前回私のバッグを壊しておいて、偽物で弁償しようとしたんです。あなたは弁護士でしょう?これって違法行為ですよね?」