第779章 二少の壁を掘り起こそうと頑張る少女

夏川清美は結城陽祐が藤原悠真のところにいると知り、少し安心して、遠山正の方を向いた。「藤原悠真の法律事務所に行きましょう」

健二は驚いた。「若奥様!」

「こんな大事が起きたのに、今帰っても落ち着かないわ。二少爺を迎えに行くということにしましょう」夏川清美は健二の反応を見て、可笑しくもあり腹立たしくもあった。こんな時に、まだそんなことを気にしているなんて。

しかし、遠山正が車を方向転換させようとしたとき、突然停車した。夏川清美は眉をひそめた。「どうしたの?」

「清美ちゃん、トラブルに遭遇したようだ」遠山正は眉間にしわを寄せ、前方の車を見つめながら、片手をハンドルに置き、もう片方の手で小型のキーボードを素早く操作していた。

夏川清美はそれを聞いて表情を引き締めた。「誰だかわかる?」