翌朝、マリッサはエムシンのVIPフロアに満面の笑みを浮かべて足を踏み入れた。フロアにいる全員が彼女の輝きに気付いていた。
「日に日に綺麗になっていく人もいるものだね」ディーンの面白そうな声が聞こえて振り返った。
「もう!」彼女は彼の肩を叩いて、笑顔を見せた。
この朝、ホテルスイートを出る時、ラファエルは赤ちゃんのように眠っていた。昨夜、何度も絶頂を迎えたのは彼の方のようだった。
「君の方は全て上手くいったみたいだね」ディーンは彼女に座るように勧め、自分も彼女の前の席に着いた。
「完璧よ!」彼女は目を細め、ディーンの表情が少し和らいだ。
「それは見れば分かるよ」彼は机からペンを取り、指の間で回し始めた。
マリッサはラファエルからメッセージが来ていないか携帯をチェックした。
いいえ。来ていなかった。
顔を上げると、ディーンが彼女を見つめているのに気付いた。
彼女は肩をすくめて、「何?」と言った。
「君の友達たち。あのチームメイトたち。今朝、いつもより早く君に会いに来たんだ」
「私の友達?」彼女は呟き、彼の視線の先を追って肩越しに振り返った。チームメンバーたちがグループで立っていた。
彼らは彼女の会場プレゼンテーションに出席しなかった同じメンバーだった。彼女はゆっくりと立ち上がり、疑問の表情で彼らの方を向いた。
一人が咳払いをして話し始めた。「あ...あの...謝りに来ました...」
マリッサの鋭い視線を見て、彼は言葉を続けられなくなった。「私はあなたたちに期待していたのに」彼女は静かに言った。「チームとして...家族として見ていたのに。あなたたちは私の味方のはずだったのに!」
彼女は震える笑顔で両腕を広げた。「もう何を望んでいるのか分からないわ。あなたたちはシンクレア夫人を選んだでしょう。今ここに来て何の用?」
シャズマが一歩前に出て、唾を飲み込んだ。「申し訳ありません」彼女は急いで説明した。「私たちは彼らが上司だと思い込んでしまって、そう言われていたんです。そして、ほとんど利用されそうになっていました。シンクレアさんが...」
マリッサの目が彼女の顔に釘付けになった。「シンクレアさん?彼がどうしたの?」