492- 無価値

ラファエルの目がパッと開き、カーテン越しに差し込む薄暗い朝の光に慣れようとしていた。彼は頭を回すと、マリッサが娘の顔をじっと見つめているのを見つけた。

半分眠っている状態でも、彼は彼女の目に宿る憧れを感じ取ることができた。彼の視線は二人の間で丸くなって横たわっているアニヤに移った。彼女の柔らかな呼吸が部屋の中ではっきりと聞こえていた。

「起きたの？」彼は声を低くして囁いた、「昨夜は全然寝なかったの？」

マリッサは娘の顔から目を離さなかった、「寝たけど、彼女を確認するために何度も起きたわ」ラファエルは彼女を責めることができなかった。彼自身も一晩中同じことをしていたのだから。

「彼女はとても美しいね」マリッサの声が聞こえ、ラファエルはアニヤの額から迷子になった巻き毛を払った。

胸に甘く苦い痛みを感じると、彼はため息をついた、「彼女がここにいるなんて、まだ信じられないよ」

二人は静かに横たわり、動いたり音を立てたりする気はなかった。

「朝食を作らないと」ラファエルはついに言ったが、ベッドを離れようとはしなかった。

マリッサは頭を振り始めた、「うーん、いいえ。ここにいて…」

彼は枕に頭を休め、「ああ、もう起き上がり方さえわからなくなったよ」

マリッサは柔らかく笑い、毛布の上で彼の指と自分の指を絡ませた。アニヤの顔に集中したまま、彼女は彼の手を握り、唇に運んでキスをした。

「なぜ彼らは彼女が…と言ったの」彼女はその言葉さえ言えなかったが、ラファエルは理解した。彼女は「死んだ」と言いたかったのだ。

「ああ、僕もそれを知る必要がある」彼は悲しい笑顔で頷いた。なぜかマリッサは震えた。

何年も前、彼らは認識できない小さな遺体を見せられた。警察によると、コンテナが海上で燃え、その中にいた全ての人々—彼らの娘を含む—が亡くなったという。

彼はDNA検査さえしたかったが、その知らせの後のマリッサの悪化する状態のために中止せざるを得なかった。

彼らの家族はバラバラになった。子供たちはショックから回復するのに時間がかかった。しかし、ラファエルとマリッサは？

彼らはトラウマから抜け出すことができなかった。それは彼らの心の奥深くに残り、体のあらゆる部分、あらゆる器官を傷つけていた。

長い間、夫婦は人生の不幸を自分たち自身のせいにし続けていた。