第94章 優歌、お兄さんの隣に座って

続いて。

柴田裕也が最も信じられなかったのは、隣の男が気ままにシャツの襟のボタンを2つ外し、落ち着いた様子で返事をしたことだった。

「ああ。」

柴田裕也:「!??」

渡様、あなたは何に同意しているのかわかっているんですか!??

しばらくして。

灰原優歌は柴田裕也を見て、そして久保時渡を見た。まるで突然状況を理解したかのようだった。

なるほど、この二人は前から知り合いだったのか。だから、あの時久保時渡が彼女を連れて帰ったのだ。

「優歌、君たち……」

柴田裕也が灰原優歌の方を向いて尋ねかけたが、優歌の意味深な視線を見て、すぐに口を閉じた。

「そういうことだったのね。」

灰原優歌は目尻を上げ、いつもと変わらない口調だったが、なぜか柴田裕也をより不安にさせた。

まずい。

優歌は絶対に怒っている!!