第125章 「灰原優歌の兄」と登録して

柴田浪は冷笑して、「優歌に三、四回しか会ったことのないお前に、俺より資格があるとでも?」

その時。

入り口を'通りかかった'人々は信じられない思いで、eスポーツ界の人気者と芸能界の三冠王である俳優が言い争う名場面を初めて目にした……

なんてスリリングなんだ!!

これを盗撮できたら、間違いなくトップニュースになるのに!!!

でも灰原優歌って何てラッキーな人生なの!?誰もが憧れる男性たちが、彼女の前で嫉妬し合うなんて!!

……

入り口にいた女子たちは興奮を抑えきれず、騒がしく議論していた。

一方、柴田の母の傍らに立つ柴田裕香は、外の人々が灰原優歌を羨ましそうに見つめる様子に気づき、目に宿る憎しみの色を濃くしながら、拳を握りしめた。

灰原優歌はなぜ戻ってきたの?

灰原優歌がいなければ、私はまだみんなから愛される柴田家のお嬢様だったのに!!

でも今は、二人の兄が灰原優歌のためにケンカしそうになるのを見て、自分が笑い者になったような気がした!

柴田裕香は全身を震わせながら、柴田の母の袖を引っ張り、泣きそうな声で「ママ……」と呼びかけた。

柴田の母も険しい表情で、柴田裕香の手を握りながら慰めていた。

彼女は怒りを含んだ声で、「柴田家の面目を丸つぶれにするつもり??!」

「浪、あなたに言ってるのよ。」

柴田裕也は平然とした表情で、柴田浪が反論する前に、ゆっくりと言った。「僕は既に柴田家と絶縁しているよ。」

柴田浪は「……」

しばらくして。

柴田浪は無表情で振り向き、「母さん、望むなら、僕を柴田家の人と思わなくてもいいよ。」

そうすれば柴田裕香というやっかいものから遠ざかれるし、一石二鳥だ。

しかし。

柴田の母はその言葉を聞いて、顔色が一気に暗くなった!

突然。

担任が話題を変えようと割り込んできた。「えーと、学校の掲示板の件については、柴田裕也さんと協力して、しっかり調査させていただきます。」

「はい、上田先生、よろしくお願いします。」

柴田裕也は笑顔で言い終わると、自らスマートフォンを取り出し、丁寧に「上田先生、WeChat追加しましょう?灰原優歌の兄として登録してください。」

柴田浪は「???」

次の瞬間。