第367章 お兄さんばかり見つめて、どうやって学ぶの?

この光景を受付嬢の目に映り、なぜか恋愛の予感が漂っていた。

久保社長とこの女性、まるでカップルみたいですね!!!

受付嬢も初めて見た、久保時渡がこんなに若い女性を大切にして、直接手袋を着けてあげるなんて!!

受付嬢だけでなく、会場の他の多くの人々も、VIPエリアのこの光景に気付いていた。

灰原優歌が弓を構えた後、右目を閉じて的の中心を狙った。

突然、後ろの男性の温かい指先が彼女の手の甲に触れ、男性の穏やかな低い声が魅惑的な磁性を帯び、温かい息遣いと共に彼女の耳元にかかった。

「こちらに少し寄せて。」

灰原優歌は全身が軽く震え、耳元が少し熱くなり、男性の冷たくて良い香りに包まれた。

なぜか安心感を覚えた。

灰原優歌:「……」

これじゃ的当ての練習に集中できない。

灰原優歌の思考は既に飛んでいた。男性の胸に寄り添う背中は、薄い生地を通して、男性の体温の熱さと心臓の鼓動を感じることができるようだった。