第365章 優歌、具合が悪いの?

「病気?どんな病気があるんだよ。あれは6組の花形だぜ、初恋なんじゃないの?」男子が下品な含みのある笑いを浮かべながら言った。

「違うよ!そういう病気じゃない、あの女、家系的に精神病があるんだ!」

その男は彼を押しながら、続けて言った。「病気持ちが恋愛なんてするな、誰を死なせる気だよ?」

灰原優歌は箸を無造作に握り締め、目には特に感情の動きは見られなかった。

「うるさすぎるかな?」

土屋遥は灰原優歌の様子がおかしいことに気づいた。

「ううん」

灰原優歌が怠そうに頬杖をつこうとした時、土屋遥に止められた。

その後。

灰原優歌は彼が紙を取り出し、彼女の肘の下に敷くのを見た。そして優歌を嫌そうに見ながら、「油だらけだぞ」と言った。

「……」嫌なら、なぜここに来るの?

灰原優歌はそれ以上考えず、あの夜のことを思い出し、密かにほっとした。

よかった、あのウーセル館での夜の出来事は、誰も知らない。

……

帰宅後。

灰原優歌は先にシャワーを浴びた。

机に座ると、彼女の脳裏に前世の様々な場面が浮かんできた。

あるときはあの女性の、極めて優しい表情。

またあるときは、泣きそうで笑いそうな、陰鬱な表情で彼女の首を絞めながら、一緒に死のうかと尋ねる様子。

小さい頃、彼女は本橋桜という女性が嫌いだった。

その女性は優しささえも演技だった。その女性が発作を起こすたびに、彼女は怪我を避けられなかった。

時には投げつけられ、時にはタバコの火を押し付けられた。

しかし毎回翌朝目覚めると、あの高慢な女性が彼女の前で崩れ落ちて泣き、後悔する姿を見て、思わず彼女の元へ行き、そっと抱きしめてしまうのだった。

しかしその時から、灰原優歌は自分が失敗作だと初めて知った。

本橋桜とあの人の結婚の失敗作。

もし祖父と外祖父の強い要望がなければ、彼女は生き延びることもできなかっただろう。

しかし灰原優歌が予想もしなかったことに、その女性は死んだ。

彼女の18歳の誕生日の前日に。

本橋桜は新しい調理器具を買い、灰原優歌に誕生日ケーキを作ると短信を送った。しかし優歌が帰宅すると、本橋桜が大量の薬をケーキに入れるところを目撃してしまった。

しかし、翌日。

本橋桜が作ったケーキは床に叩きつけられていた。