灰原優歌は黙って彼を見つめた後、冷たく顔を背けた。
「親知らずを抜いたばかり」
土屋遥「……」
一同「……」
灰原優歌が雲大に行ったと思っていたが、実は歯を抜きに行っていたとは。
この日は、カラオケの後で火鍋を食べに行く予定だった。
しかし、灰原優歌の状態を考慮して、全員で養生することにして、一緒にお粥を食べることにした。
ところが。
灰原優歌は思いもよらなかった。トイレから戻ってきたところで、吉田麻奈未に出くわすとは。
「優歌??」
吉田麻奈未は驚いた声を上げた。
「うん、どうしてここに?」灰原優歌は尋ねた。
「私?マネージャーと一緒に来たの。あれ、優歌の声、なんか変だけど」吉田麻奈未は灰原優歌の手を取って、「風邪?」
「ううん、親知らずを抜いたばかり」灰原優歌は面倒くさそうに答えた。