上階。
灰原優歌はちょうど入浴を済ませ、二人から送られてきたメッセージを見た。
返信を終えると、久保時渡に電話をかけ、それから休もうとした。
その時。
ホテルの1階で。
男性がロビーに到着し、フロントの二人の女性の注目を集めた。
この二日間に来たティッキーとジェースミン氏で、十分な容姿の衝撃を受けたと思っていたのに。
目の前の男性は、まさに彼女たちの理想そのものだった!!!
「K1209のスイートルームのカードを。」
曽田旭は前に進み、慣れた様子で言った。
それを聞いて、フロント係は固まった。
K12で始まるカード……
これは吉田社長の関係者専用のものだ。
ずっと聞いていた、K1201は吉田社長専用で、K1209は久保家のあの方のために取っておかれている……
そう思うと、フロント係は息をするのも恐れ、身分確認後、すぐに12階へ案内した。